大阪湾のスナメリ研究
大阪湾に生息するスナメリに関する調査・研究のページです。
本研究の一部は、クラウドファンディング「スナメリの未来を救え!大阪湾で生きるスナメリが人と共存するために」の支援、および環境省・(独)環境再生保全機構の環境研究総合推進費(JPMEERF20224R01)の助成を受けて実施しています。
大阪湾のスナメリ
スナメリは、熱帯から温帯アジアの沿岸に生息する最も小さいクジラ類の一種です。スナメリはイルカと同じハクジラの一種ですが、他のイルカが持っているようなくちばしや背ビレがありません。
比較的浅い場所を好み、沿岸域に多く生息するため、人間活動の影響を受けやすい動物だと考えられています。日本では、瀬戸内海を含む5つの海域(瀬戸内海、仙台湾〜東京湾、伊勢湾・三河湾、大村湾、有明海・橘湾)に生息しています。
スナメリは、国際自然保護連合(IUCN)と大阪府のレッドリストの中で、それぞれ「EN(非常に高い絶滅のリスクに直面)」と「VU(絶滅の危険が増大している)」に指定されているにもかかわらず、彼らの生態はほとんどわかっておらず、謎に包まれた動物です。
大阪湾を含む瀬戸内海東部は、1970年代の経済成長期に環境を無視した開発・埋立による環境破壊が進行し、1970年代から2000年の間にスナメリの生息数が大きく減少した可能性が指摘されています。
しかし、絶滅危惧種にも指定されているスナメリですが、具体的な調査・研究および保全活動はあまり行われてきませんでした。スナメリを保全するためにも、彼らの生態を明らかにしなくてはなりません。
調査内容
①大阪湾内外のスナメリの行き来の調査
スナメリの鳴き声を録音する水中マイクを大阪湾と播磨灘の沿岸域の 複数地点に設置。大阪湾の内側と外側をどのようにスナメリが行き来しているかを明らかにする。
②大阪湾のスナメリの分布調査
大阪湾全域において、年間4回の乗船調査により、目視観測の実施および100地点で環境DNA分析用の採水を実施。どこに生息しているのかを明らかにする。
③スナメリの行動生態調査
定置網など漁業者の網に生きた状態で定置網など漁業者の網にかかってしまったスナメリを対象に、動物装着型のビデオや行動記録計を用いて詳細な行動生態を把握する。得られる深度や加速度のデータ、ビデオの記録を解析することにより、スナメリがいつどこで何をしていたのかを明らかにする。
④スナメリの食性調査
座礁や混獲(予期せぬ漁獲)により死亡した個体を収集し、それらを用いて胃や消化管の内容物を調査することで、スナメリが何を食べているかを明らかにする。また同時に、胃や消化管の中に残っているプラスチックを含むゴミの現状を把握し、人工ゴミがスナメリに与える影響を評価する。
クラウドファンディングでご支援頂いた皆様
このたびはご支援頂きありがとうございました!(順不同)
有限会社高丘動物病院
株式会社キュービック・アイ
株式会社MMT
ひかり
三浦玲
前川浩子
北原恒平
堀本高矩
大谷美枝
安達大輝
寺野耕太郎
岩田浩
岩鍋颯大
東野智瑞子
株式会社Marine Support
株式会社恭兵船舶
株式会社エクタス
渡部真理子
石田孝之
神戸商船大学OB
雨坪康輔
KSアセットマネジメント株式会社